(Rick Owens)は、2021年春夏ウィメンズコレクションをパリ・ファッションウィークにて発表した。ダンテ『神曲』の「フレゲトン」がテーマ

2020年7月に発表されたと同様に、テーマは「フレゲ
ブルガリ時計コピートン(PHLEGETHON)」。「フレゲトン」とは、ダンテの『神曲』に登場する川の名前であり、その川は地獄「インフェルノ」の中心へと向かう道中にある。身の毛がよだつような恐怖に晒された時に見せる反抗、脅威に対峙した時にかき立てられる刺激をデザインに落とし込んだ。“反抗”を象徴するショルダー

に続いて登場している、極端に誇張された肩はまさに「反抗」「抵抗」を象徴するデザインだ。ジャケットやレザージャケットは拡張した立体的なショルダーから袖を取り、そのハードな質感が強張った緊張感を連想させる。
![リック・オウエンス 2021年春夏ウィメンズコレクション - 刺激をもたらす“反抗”の形、誇張と変容|写真34]()
また、細かくを配したローブや、構築的なメイキングのケープ、コットンの、上に向かって尖ったショルダーに仕立てたチュールのトップスなど、異なるでの強調の仕方が見て取れた。開きのある襟から突き出したような肩のデザインを配したジャケットには、リサイクルプラスチックから作られたカスタムメイドのを散りばめ、煌びやかなアクセントをプラスしている。マイクロ丈のショートパンツ&サイハイブーツ
![リック・オウエンス 2021年春夏ウィメンズコレクション - 刺激をもたらす“反抗”の形、誇張と変容|写真26]()
ボリューム感のあるトップスには、マイクロ丈のショートパンツ、サイハイブーツをスタイリング。極限まで丈を短くカットし、裾から裏側のポケットが見えているショーツは、ウエストにタイトに密着したベルトのようでもある。サイハイブーツはボリュームのあるソールと、尖ったフォルムが。カラーは、ブラックに加えレッドやピン
ロエベスーパーコピークといった色彩が印象的に用いられている。チュールやシフォンのしなやかなドレスも
![リック・オウエンス 2021年春夏ウィメンズコレクション - 刺激をもたらす“反抗”の形、誇張と変容|写真8]()
硬さのある造形のピースが目を引く一方で、しなやかなチュールやシフォン素材のドレス、ニットが好対照を描いている。艶やかなブラックのケープに重ねたシフォン素材のドレスにはジェラートのようなブラウン、ピンク、ホワイトのグラデーションプリントを施し、風を受けて揺れる布地に柔らかさを加えた。
![リック・オウエンス 2021年春夏ウィメンズコレクション - 刺激をもたらす“反抗”の形、誇張と変容|写真2]()
タイトなニットは袖の通し方によって、布地を重ねて覆う部分、肌を晒す部分が変化。その一方で、身体を全て覆うチュールのロングワンピースは、軽快さをもたらしつつも、どこかミステリアスな余韻を残していく。



